2008年 01月 06日
フリー・フォーク・フリーク
さて、2008年です。早いな。西暦でいうより、年号でいうとちょっと驚きですよね、平成20年ですよ!?
20年って、もうあれから20年経つのか、、と、ちょっと戸惑ってしまいます。20年後、なんて20年前からすると、もう全くの未来ですよ。ぼんやりと想像することすら難しい、そんな感じです。

そういえば、大晦日にドイでライヴをやったのですが、これがまた酷い演奏で、、。結構お客さんが多かったのに、とんだ失態を晒してしまいました、、(笑)。
にもかかわらず、CDを買ってくれた方々、本当に感謝です。是非聴いてやってください。
今月15日のラウンジサウンズでは必ずやリベンジを。クソー。

そんな感じの2007年だったわけですが、今回は年も変わったことだし、最近、というかここ一年くらい?で聴いた音楽を少し挙げていこうかな、と。

b0054702_2575415.jpgまずは、これを。"Dirty Projectors"の『Rise Above』。レーベルは、ラフトレードなのかな?日本盤がラフトレード・ジャパンから出てます。
これは、つい最近買ったんだけども、もうホントにヤバイですね。久々に、こいつらは何だ!?ていう衝撃。
基本的に、デイヴィッド・ロングストレスという人(すげー名前だ)の一人ユニットらしく、既にアルバムも数枚出しているとのことですが、僕はこの最新アルバムで初めてきちんと聴きました。
音楽的には、んー、なんて言えばいいんだろう? 全然分かんない、、。ジャンルなんてのも思いつかないし、、。

とにかく、完全シンクロの女性コーラスと複雑怪奇な曲構成とちょっと東欧ぽいニュアンス?のエモーショナルなボーカルの絡み合いが凄い。空間や時間軸がグニャグニャ。
鼻歌交じりの妄想がそのまま繰り広げられる音世界。多分このロングストレスさんの脳内で鳴っている音楽をそのまま具現化することに成功してるのでしょう。有り得ねー。
圧倒的なオリジナリティと表現力、そして何よりもメチャメチャ実験的なはずなのにギリギリでポップ・ミュージックとして成立しているのが素晴らしい。このまま大きな流れになって、ポップ・ミュージックの在り方も変えちゃうんじゃないか、と思わせてくれるくらい衝撃的な音楽です。
YOUTUBEでライヴが見れるんだけども、こんな複雑な音楽だから音源とライヴで結構違うのかなぁ、とか思ったら、もう完全再現、ていうかライヴの方が更に凄そうです。
ちなみにこのアルバム、Black Flagの想像カバーだそう。面影すら全く残っていない完全な別物になっているのに、クレジットはちゃんとグレッグ・ジン(笑)。ロングストレスさん、これでいいのか!? 金はちゃんと入ってくるのか(笑)?

b0054702_322565.jpgそして、この凄いアルバムをプロデュースしたのが、"Grizzly Bear"というバンドの人なのですが、このバンドがまたヤバイ。
もう一年ちょっと前になるのかな、『Yellow House』というアルバムがワープから出まして、ホントにメチャメチャ良いアルバムなのです。僕的には、ここ一年くらいのベストアルバム。
このバンドも、コーラスがかなり肝になっていて、その柔らかい響きと、ちょっとオーケストラぽい音作りが非常に心地良いのです。って、良く分かりませんね(笑)。心にしーんと染み込んでいくような音楽。
ジャンルで言うと、んー、なんなんでしょうね、やはり、フリー・フォークだかフリーク・フォークだかになるんでしょうか。
んー、僕的にはもっとミレニウムとかのソフト・サイケ辺りが思い浮かぶんだけどな。あと、ちょっとグラムぽい感じが良い。なんにしても、この先も長く挙げられるであろう名盤だと思います。機会がありましたら是非。

そういや、ここ1,2年に盛り上がっている(?)フリー・フォークという括りですが、僕が何気なくチェックするアーティストの多くが、フリー・フォーク的括りで語られていることに最近気付きました。てことは、僕はフリー・フォーク好きなのか!?
でも、そのフリー・フォークの代名詞的の存在の、アニマル・コレクティブとかココロジーなんかを余り良いと思わないので、イマイチ納得出来ないのですが、、。デヴェンドラ・バンハートの新譜も何となくパスしてしまったし。でも、ヴァシュティ・バニアンとかやっぱり凄い良いんだよなー。あと、エスパーズなんかもフリー・フォークに入るのかな? 凄い好きなんだけど。

どうやら、僕が考える、というか好きなフリー・フォーク(?)というのは、通常の唄とバックの演奏という関係から全く逸脱して、お互い独立した関係のまま展開しながらも、結果的に全てが唄によって収束される、というような音楽になるでしょうか。

90年代後半以降、ポスト・ロック的演奏の上に唄を乗せるとか、唄そのものを音響として捉え直すとか様々な方法で、唄と楽曲/アンサンブルとの新しい関係を創りだそうという試みが行われてきました。それは、もちろん多くの刺激的な音楽を生み出してきたのですが、僕が思うに、このフリー・フォークというのは、そのような方法論的考えとは、全く別のところから生まれているような気がするのです。
唄が、全く思うがままに唄われ、楽曲/アンサンブル自体の主題や構成もその唄によってつくられていくフリー・フォークでは、その結果として、唄も楽曲/アンサンブルもないまぜのまま、それがそのまま唄として成立しているように思えます。もちろん、唄も楽曲/アンサンブルも混沌を多分に含んだ、非常に奇妙な形になってしまいますが、しかし、にもかかわらず、人間の唄そのものが本来持つ強さによって、それは高らかに唄に成りえているのです。フリー・フォークというのは、そのような音楽なのではないでしょうか。

なんてつらつら考えていると、大学の講義で出てきたドゥルーズメルロ・ポンティなんかを思わず思い出してしまいまいた、、。ともかく平成も20年にもなると、所謂、唄を中心に据えた楽曲だとか唄を聴かせる音楽だとかというようなものが、いよいよ有効でなくなってきているのかなぁ、とか思ってしまいます、、。

あと、やはりアレですね、この手の音楽は、リズムやフィーリング、というかフックが南米だったりアフリカだったりの非欧米へ向かっている感じが凄く良いのですね。それもまた、この平成20年の世の中に非常にポップに響く理由なような気がします。

てな感じで、まだまだ紹介すべき音楽が沢山ありますので、後日また続きを、、。
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by marr_k | 2008-01-06 03:19


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